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食品添加物【加工肉編】

人生100年時代と言われておりますが、健康に過ごせる期間をどれだけ長くできるかが大事だと常日頃考えております。

健康寿命を延ばすことが一度しかない人生に悔いを残さないために必要ではないでしょうか?では、健康寿命を延ばすといっても様々な要因が絡み合っており、何か一つだけをやれば元気に長生きできるわけではないあたりが難しいところなんだと思います。

このサイトでは健康寿命を延ばすために必要なんだろうな、と思われることに関し幅広く触れるのではなく、思いっきり狭めて網羅性はないけれど、確実に役立つ情報を提供できたらと考えております。そして特に健康に生きるために重要だと誰しもが想像できる食生活にスポットを当てた考察サイトとなります。

ほったー

筆者のほったーです。どうぞよろしくお願いします!

記念すべき本ブログ第1回の記事では、食生活の中のソーセージ等加工肉に含まれる食品添加物を考察してみたいと思います。

この食品添加物を選んだのは、身近で多くの人が口に入れる機会が多い食品であることに加え、身近な印象とは異なり食生活の傾向によっては健康への影響があるのではないかと推察されたためです。

また、加工肉とは、塩漬け、塩せき、発酵、燻煙等により保存性を高めるための加工をした肉を指しており、具体的には、フランクフルト、ハム、ソーセージ、コンビーフ、ビーフジャーキー等が含まれます。

Grilled Spiral Sausage With Steak

では、実際にスーパー等で買物をするときに、価格以外でどのような情報にアンテナをはればよいのでしょうか?簡単な設例を設けてみたので見てみましょう!

設例

  • A:タイムセール品のソーセージ299円/2袋(添加物として発色剤等使用、賞味期限1ヶ月)
  • B:おすすめ品のソーセージ399円/2袋(添加物として発色剤等使用、賞味期限1ヶ月)
  • C:定番の特産品ソーセージ299円/1袋(無添加で発色剤等の使用無し、賞味期限3週間)
  • D:おすすめの特産品ソーセージ499円/2袋(無添加で発色剤等の使用無し、賞味期限3週間)
キーア

主婦としてはタイムセール品のA一択でしょう

自分は無添加でお得なDかな

マックス

コスパを重視すれば、A一択ですぐに買い物カゴに入れたくなくなりますね。一方、体のことを考えると無添加のCかDがよさそうな気がしますが、Cはコスパが悪く、Dはトータル費用が高い。即決するのは難しそうです。

ネットニュース等にて、ソーセージ等の加工肉には発色剤として亜硝酸ナトリウムが含まれており、発がん性物質なのでできる限り避けたほう良いという情報を耳にした人も多いと思います。一方で、過剰反応であり継続的に食べなければ影響はない、という一見楽観的なことをいう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

上記に関しては、双方に一理があると感じる一方で、明確に亜硝酸ナトリウムが体に悪い影響を与える基準に関して、知見がある方は多くはないのではないと感じており、少なくても私自身もこの考察を行うまではその一人でした。

生活費を考えると気にする必要はないと言い聞かせることが現実的と思いつつ、心配性の自分としてはやはり発がん性があるというのはかなり引っ掛かり、多少コスパが悪くても良いのではないかと袋小路に陥いるのは避けたいです。

ネットニュースやYoutubeでは私見や認識差異が入る可能性があるため、一次情報をサーチすることにしました。

農林水産省が国際がん研究機関(IARC)が2015年10月に公表した加工肉等に関する発がん性分類評価を説明した内容(一部抜粋)は、以下の通りです。

IARCの発表の概要(一部抜粋)

10月26日、世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer : IARC)は、加工肉及び「レッドミート」の摂取により大腸がんのリスクが増加すること、及び加工肉を「グループ1」(人に対して発がん性がある)に、「レッドミート」を「グループ2A」(人に対しておそらく発がん性がある)(注)に分類することを、、、公表しました。

加工肉及び「レッドミート」の摂取量と発がん性の関係について(一部抜粋)

加工肉について10件の研究成果を評価し、「毎日継続して1日当たり50グラム摂取するごとに、大腸がんのリスクが18%増加する」としています。

 国立研究開発法人 国立がん研究センターの情報(一部抜粋)

  • 「2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つです。」
  • 「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えます。」
国際がん研究機関(IARC)による加工肉及びレッドミートの発がん性分類評価について:農林水産省 (maff.go.jp)
キーア

発がん性のリスクはあるけれど、普通に食べていれば危険はないということね

IARCの結果では加工肉については発がん性があると認定されているにもかかわらず、国立がん研究センターの結論としては加工肉を含む赤肉の摂取量が、日本人の平均的な摂取の範囲(一日当たり63g(赤肉50g、加工肉13g))であればリスクに与える影響はない、または限定的、と示しております。日本が加工肉について発色剤等の添加物を公式に認めている根拠の一つが農林水産省の上記開示情報なんだろうなと感じました。一方で上記の検証時期と現況とで前提となる食生活等が変わっていたり、或いは、自分自身が研究対象となる食生活と極端に異なる食生活をしており、(杞憂かもしれませんが)必ずしも安全とは言えないケースがあるのではないかという、疑問も残りました。

また、上述の結論は、加工肉を含む赤肉に関する評価であり、加工肉(ソーセージ含む)に含まれる食品添加物(亜硝酸ナトリウム)に関するリスクが明記されておらず、巷で言われている健康リスクと直結するものではなかったため、もう少し調べてみました。

IARCの加工肉に関するQAの中に筆者が知りたかった情報を見つけることができました。

Q. What makes red meat and processed meat increase the risk of cancer?
A. Meat consists of multiple components, such as haem iron. Meat can also contain chemicals that form during meat processing or cooking. For instance, carcinogenic chemicals that form during meat processing include N-nitroso compounds and polycyclic aromatic hydrocarbons.
.....

https://www.iarc.who.int/wp-content/uploads/2018/07/Monographs-QA_Vol114.pdf

こちらのQAの中で「例えば、肉の加工中に形成される発癌性化学物質には、N-ニトロソ化合物が含まれる」というコメントを見つけることができました。亜硝酸ナトリウム自体は発がん性を持っているわけではないとの認識ですが、肉製品の加工や調理の過程(特に、焼く等の高温での調理)でN-ニトロソ化合物に変化する可能性があり、このN-ニトロソ化合物に関して危惧されていることがわかりました。亜硝酸ナトリウムを含む加工肉の摂取は最低限にすべきと再認識しました。

また、上記参照先の加工肉に対する農林水産省の検査評価からも、加工肉は毎日継続して1日50g摂取するごとに大腸がんのリスクが18%増加するとなっていることから、国立がん研究センターがお墨付きを与えている、13g/日というライン(調査当時の日本人の平均摂取量)は維持しようと思いました。(ソーセージ1本20g程度なのでたまに食べる程度がちょうどよいのかもしれません)そして、食べるときには調理方法も高温以外の方法にアレンジしようと!

ほったー

加工肉の摂取は13g/日まで。食べるときは煮込み料理がよいね!

今回の考察の結果わかったことは以下の通りです。

健康寿命を延ばすための3つの気づき

  • 加工肉の摂取は1日13gを目安。ソーセージの場合、通常1本20-30gのため、1ヶ月の許容量は13g×29~31で約390g(377g~403g)、12.5本~20本が摂取限度。一方、加工肉を毎日50g以上摂取する習慣がある場合、大腸がんのリスクが上昇するため要注意!(IARC評価でグループ1)
  • 亜硝酸ナトリウムを含まれない加工肉を摂取することで発がん性物質の発生原因を抑えることが可能
  • 亜硝酸ナトリウムを含む加工肉を摂取するときには、調理方法を工夫する。(高温調理は避け、煮込む等の調理方法が推奨)
soup in white ceramic bowl beside sliced lemon on white ceramic plate

(参考1)農林水産省/IARCによるヒトへの発がん性評価から抜粋

  • グループ1:発がん性がある
  • グループ2A:おそらく発がん性がある
  • グループ2B:発がん性がある可能性がある
  • グループ3:発がん性については分類できない

国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について:農林水産省 (maff.go.jp)

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