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食品【非常に熱い飲み物編】

今回は、これからの寒くなる時期に飲みたくなる、熱い飲み物に関する考察となります。

外出から帰宅した後、或いは、外出の途中で寒さから非難するために入った喫茶店で、冷え切った身体を温めるためにあつーい飲み物をのむことが増えるのではないかと思います。もちろん、身体を芯から温める行為は健康には良いことだと思いますしネガティブな要素はないと思います。ただし、”過ぎたるは及ばざるがごとし”、熱すぎる飲み物は体に悪影響を与える可能性があるようなのです。

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今回はこちらに関して深堀してみました。

農林水産省のHPにて、2016年6月に国際がん研究機関(IARC)により非常に熱い飲み飲料に関して公表された評価結果を見つけました。詳細は以下の通りとなります。(一部抜粋)

中国、イラン、トルコ、南米などの、伝統的に茶やマテ茶を非常に熱いまま(70℃程度)飲む地域における研究の結果、マテ茶や他の飲料を非常に熱いまま(65℃以上で)飲むと、それよりも低い温度で飲んだ場合と比較し、食道がんの発生リスクが増加する。(一部抜粋)

以上の結果から、ヒトにおいては、65℃以上の非常に熱い飲料の飲用の発がん性については、「限定的な証拠」があると評価し、あまり熱くないマテ茶の飲用の発がん性については、「証拠が不十分」と評価した。(一部抜粋)

国際がん研究機関(IARC)によるコーヒー、マテ茶及び非常に熱い飲料の発がん性分類評価について:農林水産省 (maff.go.jp)

IARCの評価においては、コーヒーとマテ茶及び非常に熱い飲料について評価しており、(今回の考察対象ではないですが)熱くないマテ茶については発がん性は不十分と評価、一方で、65℃以上の非常に熱い飲料を飲んだ場合の発がん性についてグループ2Aという上から2番目の高い発がん性の評価を与えていました。つまり、非常に熱い飲料を飲む行為は、どの食品添加物の発がん性よりも高く(食品添加物でもっとも発がん性が高いランクは2Bで、例えばアスパルテーム等が選定)、食品添加物に注意を払って確りコントロールしていたとしても、そして、お茶自体は体に良い成分を沢山含んでいたとしても、非常に熱い状態で飲んでいたら台無しになってしまうことを意味しています。

キーア

冷え性で熱い飲み物を好んで飲んでいたからショックだわ

それでは、具体的に65℃以上の非常に熱い温度で飲む可能性がある飲み物とはどんなものなのでしょうか?

農林水産省にて上記のIARCの評価に関する以下のコメントがありました。

非常に熱い飲み物については、国際がん研究機関(IARC)で、以下のような注意喚起がされております。

  • 65℃以上の非常に熱い飲み物は、食道がんのリスクが高まる。

番茶、ほうじ茶、紅茶、コーヒーなどは、90℃前後の高温で飲む場合も多いです。
非常に熱い飲み物や食べ物は少し冷ましてからとるようにしましょう。

アツアツな飲み物にご注意!:農林水産省 (maff.go.jp)

まさに探していた情報です。番茶、ほうじ茶、紅茶、コーヒーに関しては90℃前後の非常に熱い温度で飲む場合もあるようです。

紅茶やコーヒーについては普段から冷たいミルクや豆乳とブレンドして飲む、つまり、ミルクティーやカフェオレ等の場合には必然的に温度も下がるため、あまり気にする必要はないかもしれませんが、ストレートで飲む場合には十分に冷めてから飲む必要がありそうです。また、番茶等のお茶に関しても通常はストレートで飲むことになるため、入れたてのお茶を飲む際にも注意が必要になると思います。

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農林水産省にて”茶の淹れ方マニュアル”(一部抜粋)が公表されていたので確認してみました。

(ステップ3)湯を適切な温度に下げる
茶種に合った湯温(上級煎茶の場合70℃、中級煎茶の場合90℃)まで湯冷ましをする。。。。湯を使用する茶碗で移すたび温度が下げることを利用する方法もあり、簡単に行うことができる。季節や茶碗の大きさ、材質によって多少の違いはあるが、一回移すと5℃~ 10℃の湯冷ましができる。

(ステップ4)茶の成分を浸出させる

(ステップ5)各茶碗に注ぐ
茶碗に注ぎ分ける場合、各茶碗の煎液の濃さと、湯茶の量が同じになるように注ぎ分けることが大切である。

ocha-3.pdf (maff.go.jp)

上記マニュアルによると、上級煎茶の場合70℃、中級煎茶の場合90℃が適温であり、その後茶の成分を浸出後、各茶碗に注ぐこととなります。お茶を移すたびに5℃~ 10℃の湯冷ましが起きるとすると、各お茶碗の温度は上級煎茶の場合60℃~65℃、中級煎茶の場合80℃~85℃になると推察されます。上級煎茶であれば(ぎりぎり)非常に熱い飲み物には該当しませんが、中級煎茶の場合には非常に熱い飲み物に該当することになります。各お茶碗に注がれてすぐに飲むことは避け、少し冷めてからの摂取が推奨されます。

基本的には時間の経過とともに温度は下がりますが、時間が惜しい場合には茶碗等の器を移すごとに5℃~10℃の冷ましが期待できるため、上記お茶の種類に応じた適温から逆算して温度調整をするようにしてみてはいかがでしょうか。

なお、自動販売機のホットドリンクについてはデフォルトで55℃で最大でも60℃の温度設定となっているようですので、少なくても非常に熱い飲み物に該当することはなさそうです。

ほったー

熱すぎる飲み物には注意しましょう。他の器に入れ替えることで温度管理ができます。

以上、今回の考察の結果わかったことは次の通りです。

健康寿命を延ばすための3つの気づき

  • 65℃以上の非常に熱い飲料を飲んだ場合の発がん性については、IARC評価でグループ2Aとなっており、おそらく発がん性の可能性があるため、注意が必要
  • 番茶、ほうじ茶・紅茶等のお茶、コーヒーに関しては90℃前後となる場合があるので注意が必要。(例えば、煎茶については中級煎茶)
  • 熱いお茶等を飲む際には器を移し替えることで待ち時間を減らして温度を下げることができる。(1回5℃~10℃)
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(参考1)農林水産省/IARCによるヒトへの発がん性評価から抜粋

  • グループ1:発がん性がある
  • グループ2A:おそらく発がん性がある
  • グループ2B:発がん性がある可能性がある
  • グループ3:発がん性については分類できない
国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について:農林水産省 (maff.go.jp)

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